坂内麻衣…和菓子屋〔・霞谷ブルー・夢の中へダンサー〕 [2015夏夜行カンタービレ]
坂内麻衣…和菓子屋〔・霞谷ブルー・夢の中へダンサー〕
知っている方は知っていると思いますが、実は私は、本職も和菓子屋店長です。つまり、元から私をイメージして書いて下さった役、といっても過言ではありません。演劇なのに、一歩間違えればひとりだけ通常営業になり兼ねない!!と危惧し、最初はあえて自分と彼女を完全に切り離して演じようとしました。あまっ店長にリアリティは要らない。あえてキャラクター化して、浮くぐらいが丁度いい、と。だけど…いざ稽古をしてみると、彼女の台詞に予想外に共感してしまって。「一年前店長に抜擢された時は、会社に期待されてるんだって嬉しかったんです」「お客様にありがとう、美味しかったわって言われると、よかったなぁって思うんです」「だけど、このままずーっと、和菓子を売り続けていいのかなぁって…」実際、似たようなことで悩んだこともあり、むしろ恐ろしいほどにリアリティでした(笑)後半はまるで和菓子屋を通して自分自身が旅しているような気分で、最後に祥子さんが「やりたいことを見つけるために、まだまだもがいてもいい」という答えを導き出したときは、思わずジーンときてしまいました。それから、忘れちゃいけない甘納豆。一見、なぜそこで?っていう空気の読めないタイミングで出しているように見えますが、あれは一応、和菓子屋の中で法則がありまして。相手を慮って、どうにか元気づけたくて…でも言葉が見つからない!という時にこそ差し出していました。←そして断られるっていう…そこが不器用な彼女の優しさであり、お茶目な部分でもあり。「人々の、想いをつなぐ、甘納豆」なのでした。今回の舞台をご覧になった方も、きっと誰かのどこかの台詞で共感したり心動かれた部分があったのではないかと。そのポイントは人それぞれだと思いますが。ちょっとの時間日常から離れて、心を預けて楽しんでいただけたのなら幸いです。最後に、ノスタルジックで心温まるジャスミンさんのお芝居に参加できてとても楽しかったです。未熟者の私を仲間に入れてくださった劇団員・共演者の皆様、素晴らしい技術を兼ね備えたプロのスタッフの皆様、客演を全面的にバックアップしてくれた演劇集団P-strawberryのメンバー。劇場に足を運んでくださった沢山のお客様。関わってくださった総ての皆様へ、本当にありがとうございました。最強の社会人劇団『シアタージャスミン』をこれからも全力で応援いたします!!